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この部屋の話は、世界設定、性格捏造、文章崩壊、お馬鹿でたまに下品です。
キャラのイメージを壊したく無い方はお避け下さいませ。

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ポップは一度自分の執務室に戻った後、仕事の書類の束を机に置き、
早速普段薬草や魔法薬やらを研究開発している離宮へ足を運ぶ。

本城からやや離れた山の裾に、ひっそりと建てられた無骨ながら頑強そうな、レンガ造りのその建物は、
宮廷魔道士達が魔法実験やら薬の調合に使用する為に在る。

魔法国家のパプニカは魔法や薬学研究の先進国だ。

パプニカにしかない特殊な薬や、
数々の封印されたオリジナルスペルも存在する程進んでいる。

本来ならば、共同で使用する離れだが、
ポップの扱う魔法力が尋常で無いほど強大なので、
個人的な宮をあてがわれていた。

それでもポップは辺りに生物や人がいないのを確認した後に、
マホカンタに加え、物理的な侵入防止の障壁の追加効果があるオリジナルスペルで、
建物全体を包むように人払いの魔法陣を張る。
これは外からの侵入を防ぐためとゆうより、
万が一何か起こった時に内側にダメージを閉じ込め、
自分以外を巻き込まないようにするポップの配慮でもある。

「さぁてと、一丁頑張るか」

腕まくりしつつ、玄関から続く短い廊下を渡って、奥の重厚な扉を開き中に入った。

石造りに敷き詰められた正方形な部屋の中央には、
同じ石造りの長机が設置されており、

ごちゃごちゃと細かい瓶やら、薬草の束やらが詰まていれた。

壁際に並ぶ棚もマジックアイテムや貴重な古文書が無造作に並ぶ。

「先ずは主成分(魔法)と副成分(薬液)を分離させて、個々の原材料を調べるか」

手馴れた手付きでポップは準備をすると、レオナから預かった小瓶の蓋を開いた。

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―――その頃、パプニカの騎士団での午前中の修練を終えたダイは、
きょろきょろと首を巡らせながら城の中で人を探していた。

ちょうど通りかかった人々に、尋ねて回る。

「すいません、ポップ見なかったですか?」

「いいえわかりません。でも大魔道士様なら王女様の執務室では無いですか?」

「うーん、午前中まではそうらしいんだけど…」

さっきから同じ会話を繰り返している。

「せっかくたまにの城にいれる日だから、お昼一緒に食べようと思ったのになぁ」

誰に聞かせる出もなく独り言を言いつつ、
廊下をポップが居そうな思い当たる場所を巡ってさ迷う。

ダイは騎士団長に任命されてから、何かと忙しい毎日を過ごしている。

殊、世界救世の勇者ともなると、庶民に大人気の為、
何かと城内での執務より外に駆り出される事が多い。

ダイ自身も城の中でろくすっぽ解読できない書類(なんせ12才で魔界に墜ちてから、ちっとも進歩ない語学力だし)と格闘するより、
広いパプニカ領土を巡って人々と触れ合う方がよっぽど楽しかった。

しかし…1つ大きな不満が在るとすれば。

それはポップと一緒に居られない、に尽きる。

(ポップは俺に会えなくて寂しくないのかな…)

ダイは憂いの溜め息をつく。

一年前に、ポップは魔界で独り戦うダイを探しに来てくれた。
それだけでなく、共にヴェルザーへ立ち向かいこれを打ち倒した。

竜の騎士として強大な力に目覚め、半端異形の竜魔人化していたダイは、
人間達の反応を恐れその後地上に戻ることを拒んだが、
ポップは忌むことなくダイを抱きしめ言ったのだ。

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「俺は、お前が望むなら、自分でどうにも出来ねぇなら、その力も封じてやれる。
ただこんだけは間違えんな、俺は別に、お前がどんな姿だろうと構わねえんだ、……幸せになってくれれば…それだけで、いい」

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その言葉に荒れ狂う血が収まり、穏やかさを取り戻した時。

…その時、ダイはポップに対する行き場のない感情の行方が、
恋慕なのだとはっきり自覚した。

毎日を過ごしながらポップの事を考えない日はない程に。

(ポップ、俺の総てはお前に左右されてる)

あれから一年、ポップの事を考えると、沸き上がるのは穏やかなものではなく、身を焦がしくすぶる様な情だ。

只…こんな思いはきっと極めて健全に異性が好きなポップには、
疎まれるのではないかとの恐れから、何も言い出せない。

だから今は、友情を利用して食事や遊びに誘ったり、
部屋に押しかけたり。

それで自分の気持ちを宥めるしかなかった。

しかし最近特に双方が忙しく、こうすれ違いが多いと、
ダイはちりちりとした焦燥に炙られ、居ても立ってもいられなくなってゆく。

(ポップに会いたい、絶対今、会いたい!)

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ポップ禁断症状になった勇者様は、午後の執務をサボってでも、
ポップを捜そうと決意した。

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―――ポップは、腕組みをしてしばし逡巡した。

「うーん、確かにコイツは理論上は可能かもな…」

何がって、豊胸である。

「モシャスのベースにしたオリジナルスペルによる部分変化、に定着化させる薬効か…」

こんな複雑なもん、たかが豊胸の為によく造ったもんだとポップは呆れたが、
古今東西古来より女性の美に対する追求は、
大魔王バーンの太陽に対する執着より強くて根深い。

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「まあいいか、さぁて…アンチテーゼ薬も一応作ったし…後は実践だな」

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本来ならここでの実践に、他の同僚はそれら様に飼育された動物や、モンスターを使うのが定石だが、
ポップはそれを好まない。

だから。

瓶の中身を三分の1程コップに注ぎ、

それを一気に自らの喉へ呷った。

「う…!?」

ガタリ、と手に持つ杯を取り落とし、思わず膝は冷たい石畳に膝を着く。

指先は震え、机の脚にまるで縋るように捕まり体を支えた。

……それは余りの不味さに耐えかねたからだ。

(にっげぇェーッ!まっじぃいいーッ!!)

それこそ悶絶ものの味わい。

パプニカ開国当日より、数百年と寝かせて熟成された味は半端ではなかった。

麻痺する舌の根や久しぶりな涙と鼻水に、
酷く咳き込みながら苛まれていたポップは、
自分の躯の変化にしばし気付かなかった。

「……?」

何だか洋服の胸がえらく窮屈で呼吸しずらい。

「あ、う…わ?」

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見下ろした自分の胸元が、みりみる盛り上がり、
服を中から押し上げてゆく。

体のラインに合わせて、ゆったりとした着心地の魔法衣が苦しく思う程、
ポップの胸は見事に育った。

「……ほんとに胸が…」

暫し呆然としたあと、ポップは恐る恐る服の上から突出したその存在に触れてみた。

「……」

「…………」

「でっけぇ…!」

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例えソレが自分の胸から出現している残念な事実があっても。

ちょっぴり感嘆の声を上げてしまった哀しい男のサガだった。

「自慢じゃねぇが、俺の城内おっぱいランキングベストファイブに食い込むかもしんねぇ…」

それこそ城内の女性陣が見たら、生きて故郷(ランカークス)の土を踏めなさそうなランキング表を、ポップは頭の中で広げつつ自分の胸に見入った。

ちなみにマァムの胸は別格扱いであるから、此処には明記されていない。

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思えば女性のおっぱいを(正確に言えば女性のでは無いが)こんな間近で、
しかもじっくり眺めるなんて、あまりないシチュエーションだ。

ゴクリと思わず喉を嚥下し、
ポップはそろりと人差し指で襟元を引っ掛けて、ドキドキしながらそこから服の内を覗いてみた。

立派な胸の谷間が垣間見得、思わず鼻血が出そうになった。

「あー、これが俺のじゃなければ最高なのによー」

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やっておいて何だかガックリと虚しくなり、ため息を吐きつつも、
アンチテーゼ薬で、もとに戻る前にせめてせっかくの感触は覚えとこう。と、

両手で胸に手を当ててみた。

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その時、空気がピリリとざわめいて、

自分の施した呪文が破られる前兆の、緊迫した気配が走った。

「まさか…っ?!」

この離宮に張ったオリジナルスペルが力ずくで解除されようとしている。

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ポップは慌てて部屋を出、入り口に向かって様子を見に走った。

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→続く。

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……色々すいません。やっちまいました。
巨乳大魔道士……。


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2008/11/18

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