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この部屋の話は、世界設定、性格捏造、文章崩壊、お馬鹿でたまに下品です。
キャラのイメージを壊したく無い方はお避け下さいませ。.
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【はみ出し●っぱい談(略して、はみパイ)】
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パプニカ王国首都を揺るがせた「豊乳魔法事件」は、
開国より長い歴史上類を見ない珍事として、不名誉に記録される事となった…………と、思いきや。実は何故だか、国民の約半数以上に画期的に偉大な魔法薬の開発として、
絶賛支持を受ける事となった。その根拠を裏付ける事実として、
今回の被害届け…つまり魔法汚染により巨乳になってしまった者への解除薬配布希望者が、
実状被害が出たと思われる過半数を大きく下回り申し出なかった事。それどころか。
噂を聞きつけた隣国のロモスや遠方のオーザムからさえ、
パプニカ首都へ《巨乳希望者》達、女性が殺到したのである。そんな訳で、確かに王宮敷地内での爆発騒ぎに対しては、
確かに安全管理不足の糾弾はあったが、予想された民間からの非難は殆ど起こらず終わった。そしてその開発者として(勿論この魔法薬が本当は王室の秘薬とゆう点は隠蔽されたため)
《大魔道士ポップ》の名声?は否が応でも高まったのである。この一連の意外な結果の顛末を、ポップ本人として非常に不服と感じる所なのは、
《巨乳好きの大魔道士ポップ》
と、事実にしても有りありがたくない前置きが堂々と字《あざな》に付いた事だったり。
レオナ王女から厳罰として、
今回の事件が沈静化するまで魔法効果を解除しない姿のまま、
……つまりポップは豊乳化姿のまま数ヶ月に及び、全ての対応にあたる羽目となった事だった。そうしてもう一つ、そんな姿のまま走りまわるポップを見た多くの巷の間には、
とんでもない誤解を招く噂も真しとやかに流れ出した。.
その噂は……。
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事件から3ヶ月。国内での民間の混乱はほぼ収まり、
パプニカ城下町入り口に設置されている、対策本部とゆう木看板が掛けられた長机と椅子が置かれた簡素な仮設相談所には、
連日他国からの豊胸の魔法薬を求めて訪れる人々が列を成す。「だから、あれは偶然の産物であって、俺も二度と同じもんは作れねーの!遠いとこから来て悪ぃけど」
椅子に行儀悪く片足だけ胡座をかき、机へ頬杖をついてすっかりムクレた顔のポップが何万回も口にしている台詞を告げた。
「そんな!大魔道士様だけおっきくなって狡い!」
わざわざリンガイアから来たとゆうその女性は、重そうに机に乗ったポップの胸の膨らみを指差した。
「す、好きでこんなんなってんじゃねぇよっ!ほら帰った帰った」
しぶしぶ背を向ける姿に溜め息がでる。
《二度とつくれない》
それは本当は嘘だ。
確かに複雑で高度で繊細な魔法混合の技術が必要だが、今のポップになら同じものを作り出せる。そもそも総てを理解分析出来なければ、アンチテーゼ薬も造れない。
しかしこんなモノが大っぴらに世に出回ったら、風紀が乱れる。との理由で精製方法は禁呪薬としてパプニカ城の奥深く、秘密の書物庫に眠る事となった。
それが良いとポップも思っている。
ポップ自身は、確かにどちらかと云えば胸が大きい方が好きは好きだが、
それがその人の良し悪しを決めるとは思って無い。個性が有るから人は面白い。
レオナ自身も自ら元に戻る薬を飲んだ。
「全く私としたことが、何を血迷っていたのかしらね、わらっちゃうわ。ちょっと疲れてたのかも」
そうして鮮やかに笑ったのだ。
「私は私の魅力で、ダイくんを夢中にさせてやるんだから!」
だからこそあの薬は、永らく使われずに封印されてきたのだ。
パプニカ王室の聡明な歴代の女性達によって。事の顛末は落ち着き、そうして後は事後処理のみ。
いつかこの行列も無くなるだろうが、
「はい、次の人ドーゾ」
投げやり気味に促したポップの前に、
どこからどう見ても立派な体格の、
戦士然とした若い男性が進み出た。「お、お願いします!俺と付き合って下さいッ!!!!」
「じゃかしいわあほんだら――――――ッ!!!!」
間髪いわずポップの指先から生み出されたバギの旋風で遥か吹っ飛ばされた男は、
受付から五軒先の宿屋の屋根に頭から突き刺さった。
両脚が天に向いて哀れに伸びている。………こんな情景が最近増えた。
それとゆうのも、何故か広まった根も葉もない、とんでもない噂のせいである。
《大魔道士ポップは実は女性だった》
《男に見える程の微乳を気にしていたためオリジナルスペルを開発した》
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ポップ本人からすると、そんな馬鹿馬鹿しくて臍で茶を沸かすような噂を信じる輩の方の頭を疑う。
《ポップ》を良く知るパプニカ首都の住民は流石に惑わされ無かったが、
パプニカ国から離れれば離れる程、それは何故か信じられているようだった。事件の物見遊山でパプニカを訪れた余所者の旅人が、
巨乳姿のままでいたポップを見て噂を真に受け、
熱の上がった輩が先程の様に告白やら求婚やらをしにやって来るのだ。しかもその頻度は結構高い。
良く見ればポップは母親のスティーヌに似て女顔だし、
黙っていれば結構整った目鼻立ちだ。21歳の男子にしては背もそんな高くなく、
宮廷魔道士のローブはフワリと柔らかで中性的な裾をしている。
しかも今は巨乳……。誤解を受けても当然といえば当然なのだが、ポップ当人だけが自分を客観的には見ていない。
言い寄る野郎共は目の腐った変態と決めつけ、当然問答無用でぶっ飛ばしていたが、
きちんと誤解を解かない事が、実は更なる深刻な問題を生み出す素となっていた。
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「ええい気色悪いっ!次ッ!!」
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叫ぶポップを眼下に見つつ、ダイは宿屋の屋根の上にて救助活動を行っていた。
先程の、屋根に刺さったままだった哀れな戦士の脚を掴んで、引き上げる。咳き込む相手の背をさすりながら、ダイは自分事の如く、済まなそうに凛々しい眉尻を落とした。
「ごめんね、ポップだって悪気がある訳じゃ無いんだ」
「大魔道士様を呼び捨てにする貴殿はもしや、―――恋人?!」
「えっ!ち、違うよ!?えと…ポップがああなったのは俺のせいだから、その、俺にも責任があって…ッ!!」
真っ赤になって下手な説明をダイがすればするほど、
逆効果になっている事を当人は知らない。本当は自分以外の人間が、ポップに告白しにくるのを知ったダイは、
居ても経ってもいられなくてそっと物陰から様子を見守っていたのだが、無碍にあしらわれる彼等を自分と重ね同情し、こうして救出する様になった。
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「しかし恋敵といえ、こうして助けて貰っては礼を言わねばな、貴殿の名は?」
「え?ダイだよ」
「なんと!勇者ダイ様でしたか!!では致し方ない…諦めがつきます」
トボトボ国に帰る男の後ろ姿を見ながら、
「なんだか解らないけど諦めてくれたみたいだ…良かった」
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そうして今の様なやり取りが繰り返されて、
噂は更に進化してゆく。.
《大魔道士様には既に立派な恋人がいる》
《しかもそれは勇者ダイ様らしい》
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本人達が知らぬ間に、着々と公認カップルへ認定されていて、
世間の誤解を解く為また一波乱あったのはまた後の話だ。.
そうとは知らず、
二人は今日もせっせと誤解を振り撒くのだった。.
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【終】
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やっと終われました。
《ポップにダイをぱふぱふさせたい!》とゆう馬鹿な目的で気軽に始めたおっぱい話が、
まさかこんな長くなるとは思って無かったですよ…。お付き合いありがとうございました!!
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2009/4/28
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